外道戦記

何故、「ポスト・指輪」「ポスト・ハリポタ」「ポスト・ナルニア」のこの時代に「ゲド戦記」をアニメでやらにゃならんのか。



SF界の説教婆さん、パイプのポートレートでお馴染み、アーシュラ・K・ル・グィンの「ゲド戦記」ですが、この話、ゲドが主役張ってんのは、第1巻の「影との戦い」だけなんだよな。この巻のゲドは、その強大な魔力を鼻に掛けたヤナ奴で、そのゴーマニズム偏差値は、かのアナキン・スカイウォーカーの約十倍。とは言え、その態度の悪さが逆にこのキャラの魅力になってたりするんですよね。

第一巻のラストで試練に打ち勝った彼は、成長して真っ当な人格者へとレベルアップ。同時に、キャラ的な魅力つーか面白みがまるで無くなり、2〜3巻では脇に回って他の未完成キャラの補佐役に。イイコチャンが主人公じゃつまんねーしな。

さてゲトさん、3巻目の「さいはての島へ」である意味真っ白に燃え尽き、4〜5巻ではとうとう、ただのチョイ役にまで落ちぶれちゃう。全巻通して読むと、なんでコレ「ゲド戦記」なの?「アースシー戦記」の方が良くない? ってな感じ、みたいな? いや、面白いからいいけど。

とは言えこの「ゲド戦記」、映像化して楽しめる話かどうかは、正直ちょっと微妙。あんま派手な所の無い、地味目の渋いファンタジーだし。



で、ジブリの「ゲド」ですが、公式HP(すげー見辛い)を見て驚いた。1、2巻飛ばしていきなり3巻以降の話って……やっぱロリキャラ? ロリキャラ出てこねーと作る意味無い? 客来ない? 第2巻「こわれた腕輪」のテナーじゃ年増過ぎ? 「ゲド戦記」唯一のロリキャラ、テルーが出てくるの第4巻「帰還」からだしな。

そのテルー、顔に大きな火傷の跡があるのが特徴だけど、何、このジブリ版テルー? 顔の半分色が違うだけ。これじゃブラックジャックじゃん! バーホーベン(「トータル・リコール」のミュータント少女)やファレリー兄弟(「愛しのローズマリー」の火傷少女)を見習え! …いや、判りますよ、私にだって。下手にリアルなケロイド描写したら売り物にし難いですからね。どっかからクレームも来そうだし。

まあ、ジブリブランドの威光もあるし、ヒットするとは思いますよ。私はレンタルDVD化されるまで待ちますけど。つか、私、ジブリアニメって、それほど好きじゃないんですよね。それにしても(冒頭に戻る)